月刊「Bedroom Techno」8月号

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bedroom technoというstyle
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bedroomへの一枚
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ep3…August Peridot
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because spreading to a lot of people ”bedroom techno".
e-mail command.731@gmail.com


bedroom technoというstyle

・Genreとstyle

以前、bedroom technoというものへのchillout,dub,ambient等の関連性を軽く紹介した。 to 月刊「B e d r o o m T e c h n o」6月号

しばらくして気づいたのだが、音楽という大きな物体を種類別に分けるときには、まず「ジャンル」からなる分類分けが有り、さらに「スタイル」というものが存在する。
この二つはかなり混同してしまうのだが、具体例を出すと

Cylob – Cut The Midrange, Drop The Bass

これは、2001年にRephlexからリリースされたCylobの「Cut The Midrange, Drop The Bass」の中に収録されている一曲なのだが、discogsの記載されている情報(*1)によると、ジャンルはエレクトロニカ。スタイルはIDM, Electro, Shynth-popとなっている。さらに細かい追記するならば「BrainDance」「BreakBeats」などだろう。

もちろんほかの収録曲によっても分別が決まってくるのだが、この「エレクトロニカ」というジャンルはかなり厄介で、幅広く、語るのもDIGるのも大変だ。そういった事情もあり「スタイル」というジャンルよりもさらに細かいジャンル分けが表記されるようになったのだろう。

これはもちろん「TECHNO」というジャンルにも当てはめることができる。

単純にアンビエントのようなノンビートにテクノの四つ打ちのキックを足せばアンビエントテクノというスタイルが表記されるだろう。

ディストーションなどでキックの音を荒くしてBPMを上げたりしたらgabbaというスタイルになる

あげていったらキリがないので気になる方はこういったサイトを見てみてはいかがだろうか。

http://everynoise.com/engenremap.html

これは世の中にあるほぼすべての音楽の種類を近しい者同士で配置されており、クリックすると、どういった雰囲気の曲なのか視聴もすることができる。さらに検索欄にアーティスト名を入れるとそのアーティストの作品のジャンルも表示してくれるという優れもの。

そんな話をふまえて、「BEDROOM」というスタイルは一体どういうものなのか。それについて追及してみよう。

・BEDROOM TECHNOの二面性

勘が鋭い方やそうでない方も気が付いているように、私が「bedroom techno」と呼んでいるstyleは厳密には「techno」ではない。

どういうものか近しいものを挙げるならば「CHILLOUT」という言葉が一番近いだろうか。

チルアウトは、電子音楽の作曲者により生み出された、比較的陽気でスローテンポなさまざまな形式の音楽を表す包括的な言葉である。発祥は1990年代前中期で、くつろぐことを促す俗語から来ている。

1990年のKLFのアンビエントアルバム”Chill Out”で一般的になったとされる。

詳しくいうならば、chilloutな音楽からブレイクビーツのビートを強調させたdowntempoという音楽のtechno、またはhouseバージョンといってもいいだろう。

ただ、90sに生まれたchilloutの雰囲気はdowntempoよりも後の2012年頃に生まれたポストロックに似た新ジャンル「chillwave」にも継承され「ゆったり」「オープン」といったキーワードからマイナスなイメージは無いことがわかる

しかしながら
Bedroom Technoはビートこそtechno, houseであり、Downtempoはhip hop、breakbeatがルーツであり、違いがあるもののDowntempoと同じようにdubやambientで使われるような生楽器のサンプルに空間系のエフェクトをかけたり、古いドラムマシーンやベースマシンを使っているので非常に似ている

しかしながら、雰囲気が全く違って聞こえるのはなぜだろうか。

それはやはり、bedroomという理想の空間から抜け出したくない逃避癖があったり、人と交わるのが苦手で厭世的な人がつくる音楽だからかもしれない。



bedroomへの一枚

Inoue Shirabe – now romantic

Music by Inoue Shirabe
From the album “now romantic”
https://birdfriend.bandcamp.com/album…

Inoue Shirabe
https://soundcloud.com/shiraba0354

birdFriend
http://birdfriendtapes.tumblr.com/

goatとbonanzasというバンドのリーダーでありYPYというソロ名義でも活動し常に実験的かつ先進的なサウンドを発表してきた日野浩志郎氏がレーベルオーナーであるカセットレーベル「birdFriend」からのNEW RELEASE。

goatといえばstdという曲を2年前くらいにyoutubeで見たことがあったのですが、その頃はまだミニマルミュージックにハマる前で「何だこりゃ、でも、すげー」という感想を持ったという記憶があります。

そんなこともあって今回のbedroomに持っていきたい一枚「inoue shirabe – now romantic」というalbumの作者である井上調氏は私がとあるイベントに顔を出したときにDJ negamiという方からおススメのchillでlo-fiなテクノサウンドは無いかと尋ねたときに教えてもらった岡山在住のアーティストです。

まさか2年前のことと繋がると思っていなかったので少し感動してます。

birdFriendといえば日野浩志郎氏自身の活動もそうですが、湿った犬Daniel Shampooなどminimalなスタイルを持つアーティストを積極的にリリースしているという印象を持っていたので、少し意外なところからリリースされたな、と情報を聞いたときは感じました

さて、中を覗いてみると、過去作ではサイケデリックなディープハウスみたいな作品も発表していたりしたので、今回の作品はそのサイケ要素が少し抜け、横田進かのようなサウンドに仕上がっているのにもかなり驚いたりしました。
これまでのinoue shirabeサウンドをそのままに、曇ったkickがダウンテンポで体を揺らし、センスのある切り取りをされたサンプルが鳴り響く。かなり理想とするbedroom technoにlo-fiで素晴らしいです

残念なのは私がカセットプレイヤーを持っていないということ。ぜひともこれはカセットで聞いて、digitalとの違いを味わってほしいと思います。
寝室でゆったりコーヒーを片手に耳を傾けるのも良し、ポータブルカセットプレイヤーでどこか遠くに持っていくのも良し。

どこか違う、別世界へ連れて行ってくれる。そんな一枚です




ep3…August Peridot

服もボロボロで頬も痩け、いかにも貧困層の身なりをした男はどこからか走りよるなり
「¥&@¥”¥!! $€€>^#%%+$#!! 」
通路にいた三人に、いや、恐らく二人の招かれざる客に伝えたかったのだろう。
この世の終わりを知ったかのような顔面蒼白の顔で三人に向かって、叫び、よくわからない言語で忠告をしてきた。

この状況に驚いて目を白黒させているのは、大きな耳が特徴的な獣人族、ミア=ロゼッティ=テニスンという女性。見た目から想像する年齢は十代後半から二十代前半に見える。彼女は大きく長いふわふわな耳を持ち、獣人という属性のためにあらゆる五感が人間よりも優れているために突然の異変に敏感で、かなり怖がりな部分があるようだった。

もう一人、ミアとは対象的に冷静な顔を保っている彼女の名はジュエル アンクラウト。年齢はミアよりも少しだけ年上のように見えるが二十代後半くらいだろうか。事故により体内器官を損傷し、五感が弱いが手先が器用で、お手製の三角形の猫耳型の集音機を装着しており、視力の方も牛乳瓶の底の様にぶ厚い眼鏡で生活に支障がない程度まで五感を補っている。左手と左足もお手製で真鍮製の義肢をつけてある。属性は一応人間となってはいるが半身が機械でできているので「ほぼ」機械人間だと言っていいだろう。

そんな二人の知らない「何か」からの恐怖を伝えようと必死な表情だった奇妙な男は次に、この場で唯一の案内人である蜥蜴男の顔を怒りに満ちた表情で睨みつけた。一方の蜥蜴男は軽蔑したような表情で目を細め、男の様子を観察している。

突如、対峙していた奇妙な男は足元にあったタイルの破片を素早く拾い上げ、それを蜥蜴に投げつけた。
欠片は大きく弧を描き、蜥蜴男の黒いスーツに弱弱しく当たり、
そのまま重力に引っ張られ、
冷たい床に打ち付けられ、
欠片は粉々に砕けた。
「アッ!」
それと同時に二度だけ、何かが破裂して空気を切り裂く音が鳴り響いた。

全てが静寂に戻り、気がつくと、対峙していた男が天井を仰いでいた。
茶色く汚れていた衣服はゆっくりと紅黒く濡れはじめ、白いタイルの床にも少しずつ赤い水溜まりを作っていた。

奇妙だった男は静かになり、ゆっくりとこちらに顔を向けると何かを言いたそうに口を動かしている。しかし、もはや喉を震わせるための息が出てこないらしい。そのまま血の気が無くなり力尽きたように冷たい床に額を擦り付けて息を絶った。

未だ白い硝煙に包まれている蜥蜴のおとこは、動きが完全に止まったのを目視すると、ようやく手に構えていたオートマチック・ピストルをスーツの内にあるホルダーに納めながら、こう言った。

「平和を守るには規則を貫き通すのが一番です」

ep3...August Peridot




今月の一言

Writer:Hyuuga_D

illustration:zinbei     (HP)

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